◆ ◆ ◆ ◆ ◆
────声が聞こえる。
それは、ようやく訪れた雨止みに歓喜する声。
それは、甚大な被害を受けた故郷に悲哀する声。
それは、仲間の生死を知る為に名を呼び合う声。
たくさんの声が混ざり合い、晴れ渡る空へと消えて行く。
*The End of Prayers*
第三十七話
「帰還」
◆ ◆ ◆
────聖堂内深部、主聖堂。
自然光が照らす堂内は薄暗く、やたら湿度の高い空気に満たされていた。
ステンドグラス越しに民衆の声が聞こえてくる。けれどそれは遠く小さく、背景音楽にさえ成れない環境音。響くより先に静寂へ吸い込まれ、消えて行く。
そこには誰もいなかった。神官も信徒も子羊も、誰もいない空っぽの主聖堂。
そこに光が現れた。誰が祈ったわけでもないのに、突然。その光は現れたのだ。
光の中から現れたのは、いずれ第三者から「英雄」と称されるデジモン達。
誰に迎えられる事も無く、彼らは拠点としていた都市へと帰還した。
「────」
光が消えると同時に、静けさの中にいくつかの溜息が漏れた。
誰もが疲れ切った様子で堂内を眺める。
側廊には物言わぬ天使の彫像。大理石の身廊。列を成す木製の長椅子。そうして、自分達以外は此処に居ない事を認識する。
連れて帰った“妹”は、未だ兄の腕で眠ったままだ。
「──さっき、言えなかったの」
そう、最初に口を開いたのはカノンだった。
主祭壇の前で、内陣に佇むアポロモンとメルクリモンを見上げて。
「ありがとう。あの子の事、助けてくれて」
アポロモンとメルクリモンは思わず苦い顔をする。それはカノンの琥珀色の瞳に、水晶のイリデッセンスが浮かぶのを見たから──という理由だけではない。
……この少女は、あの存在を「あの子」と呼ぶのか。
「……どういたしまして、とは……言えないよ。俺達は、結果的にそうなっただけで」
「ええ、それでも」
バラ窓とクリアストリーから差し込む光が、少女と祭壇を美しく照らしている。
その様は、最後に見たイグドラシルの姿とよく似ていて──現実から酷く浮いているように思えた。
『……あの、……カノンさん。身体……』
花那は語尾を小さくしながら、「大丈夫なんですか?」と少女に尋ねた。彼女の異質さを、花那と蒼太も多少なりとも感じ取っている。
「いいえ。……こんなに成っても生きてるの、不思議よね」
カノンは少しだけ、寂しそうに笑った。
「「……」」
────彼女は、成れの果てだ。
この電脳世界の影響を受けすぎた、人間の成れの果て。
身体は肉体ではなくなり、けれど完全に電脳化したわけでもない。酷く曖昧で儚い存在。
それはかつて、未春や子供達が辿ろうとしていた運命の先でもある。
あの子は、そうなる前に力尽きてしまったけれど。
「だけど、あなた達だって」
そして今────蒼太と花那も、カノンと同じ道を辿ろうとしていた。
電脳化した状態で究極体へ至り、擬似核から電脳核への転移にも巻き込まれた。その負荷による影響は、もう無視できない程膨れ上がっている。
カノンのように成るか、未春のように果てるかは、分からないが。
『……わかってます。私も、……蒼太も、多分』
『……』
『不思議なんです。触れない筈なのに私、メルクリモンのこと触れるんです。でも動くと、一緒になることもあって……』
「……お化けになったみたい?」
『……怖いのは苦手です。まぁここじゃ、オバケもデジモンなんですけど』
なんとか笑ってみせたが、誰も自分の顔を見られないと気付く。
──大事な友達の中にいるのに、何故かとても寂しくなった。
「無理したのね。無理して、こんなになるまで頑張ったのね」
『……俺たちが、自分で決めたんです』
だから後悔は無いのだと、二人は胸を張って言い切れる。嘘でも、見栄でもない。
──とは言え、恐怖はあった。
元に戻れなくなるかもしれない、帰れなくなるかもしれない不安。
この声さえ、いつか誰にも届かなくなるかもしれない恐怖。それは拭えない。
彼らと一緒にいたいのは事実だ。一緒に生きていたいのは本音だ。
けれどそれは、二人の隣に立って、背に乗って世界を駆け回って──そういう事なのだ。一体化したまま彼らの中へ溶けていく事ではない。
当人達も少女も、それは理解している。
『やれるだけ、やってみます』
蒼太は言った。一握の可能性を信じて。
『だから……──そんな顔しないでよ。ウィッチモン』
彼の言葉に、アポロモンとメルクリモンが驚いて顔を上げる。
身廊の端、薄暗い影の中──赤いドレスの彼女が、悲痛な顔のまま佇んでいた。
『こっち来なよ。そんな暗い所にいないでさ』
『ねえ、ウィッチモン……手、どうしちゃったの……』
彼女の腕から先はほぼ崩れていた。──が、本人はそれを気に留める様子もない。
ただ、俯きながら身廊を進む。自責の念に全身を潰されそうになる。
そして──画面越しではない、オリンポスの二柱を目の前に、
「──荘厳ですね」
深い吐息と共に、思わずそんな言葉が出た。
リアルワールドで出会った、あのコロナモンとガルルモンが──こんなにも立派な姿になるなんて。
「……。……そうだろう?」
メルクリモンはわざとらしく、おどけたように言ってみせた。
「皆のおかげで、僕達はこの姿になれたんだ。……凄く、誇らしいよ」
ウィッチモンは堪らず目を伏せた。
──目線を落とせば、そこにはアポロモンの腕の中。今朝見送った仲間が眠っている。
蛇の頭部を模した兜。透き通る装飾の瞳が、自分を見つめているような気がした。
「……そうだ、紹介しないとね。この子は俺達の──」
「知っていマス」
全て終わった。各々の役目も、願いも、戦いも果たされた。
だから────彼らに全てを隠し続ける必要は、もう無い。
「ワタクシとユズコは、……ヴァルキリモンの事だって」
それに、彼ら二人が記憶を取り戻したかどうかなんて。
ミネルヴァモンを大切に抱く姿を見れば、聞かずとも分かる。
「……だからこそ……もっと上手く、ワタクシは……できたかも、しれないと……できた筈だッタと……」
アポロモンとメルクリモンは──「ああ、そうか」と、目を閉じた。
未春と同じ顔の少女が、ミネルヴァモンだったなら。
彼女にずっと寄り添っていた、彼はやはり──
「──……。俺達は……多分、遅かれ早かれこうなった。でもきっと、これが最善だったんだって、思うよ」
「ありがとう。ミネルヴァと、ヴァルキリモンと、一緒に居てくれて」
「──……ッ」
ウィッチモンの肩が震える。両目から、涙が溢れた。
「──ウィッチモン! 連れて来たよ!」
その時。柚子の声と共に、扉口が勢い良く開かれる。
彼女のすぐ後ろには、再会を待ち望んだ仲間達の姿があった。そして──
「なあ皆! ホーリーエンジェモンさんたちも来てくれたよ! オレに薬くれてさ、痛いの取ってくれたんだ!」
「花那ちゃんと矢車くんが戻るの、手伝ってくれるって! 遅くなっちゃってごめんね……!」
駆け付けたのは、ホーリーエンジェモンを含む三体の天使達。初めて見るアポロモンとメルクリモンの姿に、エンジェモンとペガスモンは息を呑んだ。
そして、ホーリーエンジェモンは────
「……──英雄達……。貴殿方は、……オリンポスの」
言葉を失う彼の側で、手鞠と誠司は笑顔を浮かべている。
友人達が無事に戻って来た──それをわかっていても、再会できた事があまりに嬉しい。
「チューモンたちが言ってた通りだ……カノンさんもちゃんと戻れてる! ねえチューモン、良かったね!」
「──……ああ、そうだね」
だが、チューモンとユキアグモンの表情はひどく曇っていた。……先にウィッチモンが合流していたにも関わらず、仲間達がまだ分離されていない。
隣でホーリーエンジェモンが青ざめているのも、目の前に究極体がいるからなんて理由ではないだろう。
「──ペガスモン、大聖堂の周囲全て封鎖するよう天使達に伝えよ。民の誰一人として此処に入れるな」
「……畏まりました。大天使様」
「エンジェモン、この場で彼らの処置を行う。聖水を出来る限り汲んで来なさい。私の手持ちでは恐らく足りない」
「承知した兄上。──選らばれし子らと我らが英雄に、どうか加護あらんことを」
忙しなく動き出す天使達。気付けば身廊を駆け出していた柚子。……そんな彼らの姿に、誠司と手鞠は困惑する。
「え……そーちゃんたち、洗礼室って所に連れてくんじゃ……」
「彼等をこれ以上動かすのは危険だ。──先ずは手当てをしなければ……」
白いローブが揺れる。柚子の後を追うように、足早に祭壇へ向かった。
「……みちるさん……みちるさん!!」
柚子は息を切らせながら、アポロモンの前で膝を付く。
記憶の中の溌剌とした笑顔とは程遠い──壊れてしまいそうな儚い寝顔。掴んだ手は、驚く程に軽かった。
「亜空間の魔女よ、彼らの損壊状況は?」
「──損傷率はアポロモン五十九、メルクリモン六十二、ミネルヴァモンが八十三パーセント。いずれも電脳核の欠損は見られまセン」
「分離する二名は三十パーセントまで下げよう」
ホーリーエンジェモンは聖剣を手に取る。
自らをロードさせる気だと──察したメルクリモンが慌てて制止した。
「やめてくれ。貴方の犠牲を僕らは望まない」
「それは無論、私にもまだ都市を守る責務がある。……しかしこの身は貴方達の遠き同胞、熾天使が後身。ならば少しでも役に立てる筈だ」
彼はそう言って、刃に自身の掌を押し付ける。
裂けた皮膚から溢れていくデータの光。それを三本の小瓶に凝縮させた。
「一本ずつ飲まれよ。残りはオリンポスの姫君へ」
『待って、ウィッチモンにもあげて! 腕、こんなになってるの……』
「いいえ。……ワタクシの事など……貴女達に、比べたら」
どうという事はないのだと、ウィッチモンは頑なに受け取ろうとしなかった。
「……柚子。──俺達の妹を頼む」
「……!! うん……ッ」
ミネルヴァモンがそっと、兄の腕から長椅子に寝かせられる。
柚子は彼女の上半身を起こし、僅かに開いた口へ瓶の中身を流し込んだ。
──それを見ていた、誠司と手鞠は
「……宮古さん……なあ、多分オレの聞き間違いだよね? ……──山吹さん、さっき……何て言った……?」
「……」
彼女が発した一言が、胸に引っ掛かって離れない。
「どういう事だよ……なんで、おねーさん……。……いやでも、あれ普通にデジモン……」
「……わ、わかんないよ。……けど、それって……みちるさんがデジモンだったって……ことに……」
「そんな訳……」
────嫌な、予感がした。
「……じゃあ、じゃあさ。もし本当に……そこにいるのが、おねーさんなら……──管制室にいたのって」
誠司の口の中がみるみる乾いていく。
管制室で出会い、救う事が出来なかった一人のデジモン。その姿を、声を思い出して──此処は蒸し暑い筈なのに、寒気と震えが止まらなくなった。
「な……何だ、よぅ……」
隣にいるパートナーも、誰も、どうして否定してくれないのだろう。
「……何か言ってよ、なぁ……山吹さん!」
主聖堂に声が響く。
柚子はただ目を伏せ、「ごめんね」と言った。
「何で謝るんだよ……何で、おにーさんとおねーさん、ここにいないんだよ!」
「ぜーじ。……ぎぃ、落ち着いで……」
「だってユキアグモン! ──なぁ、ユキアグモンとチューモンは、いつから気付いて……」
「……おでたちも……ちゃんとは、わがらなかっだよ」
「……あの白い奴は、何となくだ。何となくそう感じただけ。声とか、喋り方とかさ」
「────ッ」
白亜の彼は戻らない。
自分達は皆、全員が無事に戻って来たと思っていたのに、そう思いたかったのに。
「……こんなのって無いよ。……これで、そーちゃんと村崎まで戻らなかったら……もうどうしたらいいか分かんねーよぉ……ッ!!」
隣では手鞠が、真っ青な顔で立ち尽くしている。ユキアグモンは黙って、二人の手をそっと握った。
「──アポロモンとメルクリモンの損傷率、三十一パーセントまで低下しまシタ」
「及第点だ。選ばれし子供たちの分離を執り行う」
ホーリーエンジェモンは白いローブから硝子瓶を取り出した。
それを、二柱に渡す。──先程のより細やかな装飾で、どこか古めかしい材質の小瓶。浅瀬の水面の様に透き通る液体が入っていた。
「そちらの少年の応急処置にも使った聖水だ。子供達の“実体”としての輪郭が、僅かだが明晰になるだろう。──我が祖セラフィモンらが、未来に遺したものだ」
「……。……これを……あの時、連れて来た子供達にも?」
アポロモンの問いに、ホーリーエンジェモンは静かに頷く。
「祖が残した記憶通りなら」
一秒でも長く、子供達をデジタルワールドに留める為。
三大天使達は研鑽し作り上げ、自身らのパートナーに飲ませていたという。
「それでも……護れなかったようだが」
「……パートナーの記憶はあるのか?」
「いいや。……名前も顔も、少女だったのか、少年だったのかさえ。私への記録としては残されていない。……セラフィモンは何故、その記憶を遺さなかったのだろうな。大切なものだった筈なのに」
「……」
彼らは、子供達を連れ去ったのがロイヤルナイツであった事を知らない。
死に追いやったのが騎士達だと知らない。あの日、天の塔で倒れていた子供達の姿を知らない。
──子供達の肉体を限界まで使い潰したのが、自分達を含む全員である事も、きっと。
「……。……貰うよ、ありがとう」
アポロモンはそう言って、躊躇わずに聖水を飲み干した。メルクリモンも続く。
「君も飲みなさい。美しいヒトの子」
ホーリーエンジェモンはカノンにも瓶を渡そうとしたが、ベルゼブモンが奪い取ってしまった。得体の知れないものを飲ませたくないようだ。
カノンは「いいのよ」とベルゼブモンを宥めるものの、瓶を受け取ろうとはしない。
「この子達にあげて。私は後でいいから」
「しかし……」
「だって私、それだけの量じゃきっと変わらない。だから後でいいわ」
「……──そうか。……君は後程、しっかりと治療をしよう」
ベルゼブモンは半ば押し付けるように瓶を渡す。アポロモンとメルクリモンは苦笑しながら、半分ずつ飲んだ。
「分離処置に移りマス。……お二方、ワタクシの腕を掴んで下サイ」
ウィッチモンは半壊した腕を差し出す。
力を込めれば、それだけで肩まで砕けてしまいそうな腕。アポロモンとメルクリモンは、恐る恐る触れ、優しく握った。
「──走査開始。ソウタとカナの状態を確認」
二柱の中へ干渉を始める。
すると手鞠と誠司が駆け寄って来て、必死の様相でウィッチモンの裾を掴んだ。
「お願いウィッチモン! 花那ちゃんたち大丈夫だよね……!? ちゃんと戻るよね!?」
「だって、だってさ! 時間オーバーしたって……そんな長くなかったじゃんか……!」
「離れな二人共! そんな事して失敗させたらどうすんだい!」
二人を慌てて追いかけ、チューモンとユキアグモンが引き離す。
ああ、気持ちは痛い程わかるとも。ウィッチモンが頼みの綱なら、自分達だって縋りたい。
ウィッチモンは何も言わなかった。仲間達の声は聞こえていたが、意識は既に二柱の内へ向けられていた。
「────」
アポロモンとメルクリモン。電脳生命体の中に、蒼太と花那の存在を確認する。
まだパートナーの中に“溶けて”はいないようだ。聖水の影響か、実体としての輪郭もきちんと捉えられる。
……ここまでは順調だ。
後は──手鞠と誠司をそうしたように、一体化した子供達の意識体を、パートナーという電子の海から引き揚げればいい。そのまま実体化が出来れば、蒼太と花那は人間として生還できる。
「……──」
──だが。
ウィッチモンはそこで手を止めた。そして腕を下ろしたのだ。
すぐに不穏さを感じ取った、ホーリーエンジェモンが自身の胸に手を当てた。
「足りなければ我が翼を、四肢を捧げよう。彼らの身を聖水に浸す事だって」
「いいえ。……もう、その段階ではありまセン」
二柱との接続が、切られた。
「──分離は、出来まショウ。けれど実体化ができない。今剥がせば、ソウタとカナはデータのまま霧散します」
蒼太と花那は既に──自身の存在を実体として保つことができない、電脳体からの実体化に耐えられない状態だった。
パートナーと引き剥がした時点で、データの塵となって消えていく。──かつて未春が、ミネルヴァモンの腕の中で散ったように。
『……、……そ、っか』
花那の声は震えていた。
『でも……まだ、全部ダメって訳じゃないし……ねえ?』
自身に言い聞かせるように、仲間達へ同意を求めた。
「「────」」
アポロモンとメルクリモンは言葉を失う。
……どこかでそんな予感を、抱いていなかったと言えば嘘だ。
二人共、自分達のパートナーが特別な人間だと思っていない。どこにでもいる平凡な、けれどとてもやさしい子たち。だからこそ耐え切れなかったのだろう。
しかしいざ現実を突きつけられると──簡単に受け入れる事など到底、出来なかった。
「……。……僕達は……また──」
パートナーを守れない。
今度こそ一緒に生きて、笑って、帰してあげたかったのに。
ごめんねと抱き締めたくても、大切な彼らは自分達の中。
自分からは触れる事すらできなかった。
「──何諦めようとしてんのさ。死ぬってんなら、意地でも他の方法考えるしかないだろ!」
チューモンはアポロモンの肩に飛び乗ると、金色の鬣を思い切り引っ張った。
「……チューモン、痛いよ……」
「何だいこの程度で情けない。──ウチは嫌だよ。蒼太も、花那も、アンタ達も。このまま終わるなんて最悪だ!」
チューモンは憤る。誰かに対してではない。ただ、この理不尽な状況に。
仲間達はこんなにも頑張った。世界だって救ってみせたのだ。──せめて終わりくらい、笑顔で迎えて何が悪いと言うのか。
「ねえ天使様。何か方法、見づがるまで……たくさんお水のめば、そーだとがな大丈夫?」
「……ああ。少なくともしばらくは、彼らの中で分解するまい」
「なら……おでたち一緒に、いっぱい考えるから」
ユキアグモンはメルクリモンを見上げ、両手を伸ばす。
「みんな、一緒にいるがらね」
「──ッ……、……ありがとう……」
メルクリモンは膝を着く。ユキアグモンは彼の膝によじ登ると、震える大きな肩にそっと、抱き着いた。
◆ ◆ ◆
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